健康食品や化粧品を扱う会社のホームページは、薬機法と健康増進法の両方を踏まえて書く必要があります。医薬品的な効能効果の考え方、化粧品で表現できる効能効果の範囲、体験談の扱い、書き換えの方向性を厚生労働省と消費者庁の資料をもとに整理します。

この記事の監修者


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H.Yamashita

新卒で三井住友銀行に入行後、11年間幅広い業種業界・企業規模の法人を担当し、融資業務を中心としたコンサルタント業務に従事。子会社の信託銀行では、専務直属の新規事業企画室にて新規企画推進を担当。

銀行員キャリアのラストは本店営業部にて従事し、不動産・建設業界の上場企業を担当。


その後、WEBマーケティングに強みを有するスタートアップ企業に転職し、企業のあらゆるお悩みや課題を解決し、貢献したいという想いからコンサルタントとして独立、起業。

セールスライティング、WEBマーケティング、SEO、MEO、SNS、広報、WEBサイト制作など、財務や経営管理以外にも幅広い実績を有するオールラウンドな経歴を持つため、一気通貫であらゆるお悩みや課題の解決に貢献できる。

二人三脚スタイルの伴走型支援で当事者意識を持って高い熱量でサポートすることが強みであり特徴。クライアント数は140社超える。


健康食品と化粧品では、表現を確かめる物差しが違います


健康食品や化粧品を扱う会社のホームページでは、商品の魅力を伝えたい気持ちと、法令で使えない表現との間で迷う場面が多くあります。

注意したいのは、健康食品と化粧品では、確認に使う物差しが違うことです。

✓健康食品は「食品」です。病気の治療や予防などをうたうと、医薬品医療機器等法(以下、薬機法)上の医薬品とみなされるおそれがあります。あわせて、健康増進法の虚偽誇大表示の禁止と、景品表示法の不当表示の禁止がかかります

✓化粧品は薬機法の対象です。広告で表現できる効能効果の範囲が、厚生労働省の通知で具体的に示されています

同じ「美容と健康」の商品でも、どちらの商品として売るのかで書ける内容が変わります。ページの構成に入る前に、掲載する商品がどの区分に当たるのかを一覧にしておくと、後の確認が楽になります。


ホームページも広告として扱われます

「会社のホームページは広告ではない」と考えられることがありますが、健康食品と化粧品では、その前提で作らないほうが安全です。

厚生労働省の「医薬品等適正広告基準」(平成29年9月29日薬生発0929第4号)は、対象となる広告を「新聞、雑誌、テレビ、ラジオ、ウェブサイト及びソーシャル・ネットワーキング・サービス等のすべての媒体における広告」としています。また、平成10年の厚生省通知では、顧客を誘引する意図が明確であること、特定の商品名が明らかにされていること、一般人が認知できる状態であることの3つをすべて満たす場合に、広告に該当すると判断するとしています。商品名を出して購入ページへ誘導する通販サイトや商品紹介ページは、この3つに当てはまりやすい構成です。

消費者庁の「健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項について」(令和4年12月5日一部改定)でも、規制の対象となる表示にインターネットによる広告が含まれることが示されています。さらに、コラムや読み物の形をとっていても、その近くに販売業者の連絡先や販売ページへのリンクがあれば、商品の「表示」に当たる場合があるとしています。

「商品ページには効果を書かず、コラムで成分の効果を語り、そこから購入ページにリンクする」という構成は、表示として一体で見られる可能性があります。コラムも商品ページと同じ基準で確認してください。



健康食品で書けない「医薬品的な効能効果」の考え方

健康食品のページで最初に確認したいのが、医薬品的な効能効果を書いていないかどうかです。

厚生労働省の「医薬品の範囲に関する基準」(昭和46年薬発第476号通知の別紙。令和2年3月31日一部改正)は、口から摂取する物が医薬品に当たるかどうかを、成分、形状、表示された効能効果や用法用量、販売方法などから総合的に判断するとしています。そのうえで、次のような効能効果を広告などで表示している場合は、医薬品的な効能効果を標ぼうしているものとみなすとしています。

1.疾病の治療または予防を目的とする効能効果
例として、糖尿病・高血圧・動脈硬化の人に、便秘がなおる、ガンがよくなる、などが挙げられています

2.身体の組織機能の一般的増強、増進を主たる目的とする効能効果
例として、疲労回復、体力増強、食欲増進、老化防止、若返り、新陳代謝を盛んにする、などが挙げられています。ただし、栄養補給、健康維持等に関する表現はこの限りでないとされています

3.医薬品的な効能効果の暗示
商品名やキャッチフレーズ、含有成分や製法の説明、起源や由来の説明、医師や学者の談話の引用などで、同様の効能効果を暗示するものも含まれます

消費者庁の留意事項では、このような医薬品的な効能効果を標ぼうするものは薬機法上の医薬品とみなされ、野菜や果物など外観から明らかに食品と認識される物を除き、承認を受けずに効能効果を広告することはできない(薬機法第68条)と整理しています。つまり、健康食品のページでは「どの程度なら言ってよいか」ではなく、この種類の効能効果はそもそも書かない、という前提で原稿を組む必要があります。

用法用量の書き方にも注意が必要です。同じ基準では、服用時期、服用間隔、服用量などの記載がある場合は、原則として医薬品的な用法用量とみなすとし、「1日2〜3回、1回2〜3粒」「毎食後」といった例を挙げています。栄養機能食品には例外がありますが、「食前」「食後」「食間」のように通常の食品の食べ方とは考えにくい表現は、医薬品と誤認させる表示とみなされる場合があるとされています。

一方で、この基準では、特別用途食品として許可を受けた表示内容や、機能性表示食品として届け出た表示内容を表示するものは、原則として医薬品と認識されないものとして扱うとしています。保健機能食品を扱う場合は、許可や届出の内容をそのまま使い、その範囲を超えないことが基本です。


健康増進法の虚偽誇大表示は「何人も」が対象です


健康食品のページには、健康増進法第65条第1項もかかります。条文は次のとおりです。

「何人も、食品として販売に供する物に関して広告その他の表示をするときは、健康の保持増進の効果その他内閣府令で定める事項(中略)について、著しく事実に相違する表示をし、又は著しく人を誤認させるような表示をしてはならない。」

留意事項では、ここでいう健康保持増進効果等に、病気の予防や体調の改善だけでなく、含有する成分の量、特定の成分を含む旨、カロリー、美肌やうるおいなど身体を美化する効果も含まれると説明しています。健康食品の場合、「美肌」「うるおい」といった言葉も、この規制の対象に入ります。

「著しく人を誤認させる」表示の例として、留意事項は次のようなものを挙げています。
 ・効果が得られるだけの量を含んでいないのに、運動をしなくても脂肪を燃焼させるようなイメージを与える
 ・メリットを断定的に示す一方で、効果が現れない人がいることなどのデメリットを表示していない、または見つけにくい方法で表示している
 ・都合のよい体験談だけを引用し、誰でも同じ効果が期待できるように見せている
 ・根拠となる学術データのうち、有利な部分だけを引用している

また、健康保持増進効果等は、商品名やキャッチフレーズ、成分の説明、悩みを並べる見出し、医師や専門家の談話、アンケート結果などで暗示的に表現した場合も表示に当たるとされています。「こんなお悩みありませんか?」から始まり、身体の不調を並べてから商品を紹介する構成も、例として挙げられています。

健康増進法の特徴は、規制の対象が「何人も」であることです。留意事項では、第一義的な対象は製造業者や販売業者としつつ、表示内容から明らかに虚偽誇大と疑うべき特段の事情がある場合には、表示内容の決定に関与した広告代理店などにも措置をとることがあるとしています。原稿を書く側、ページを作る側にも関わる規制だと考えてください。

消費者庁はインターネット上の表示の監視を続けています。令和8年9月4日の公表では、令和8年4月から6月の監視で、117事業者の126商品について、健康増進法第65条第1項に違反するおそれのある表示があったとして改善指導を行ったとしています。


監修者からのポイント

監修者コメント 健康食品と化粧品は、同じ美容系の商品でも確認する資料が違います。商品ごとの区分を最初に一覧にしておくと、原稿の確認がぶれにくくなります。

エクシードでは、業種別のホームページ制作をご支援しています。健康食品や化粧品を扱うサイトでは、商品の区分の整理から、効果に頼らない商品紹介の構成づくりまで一緒に進めます。新規制作やリニューアルを検討されている方は、お気軽にご相談ください。

営業時間: 10:00~19:00

体験談・口コミを載せるときの考え方

健康食品のページでは、お客様の声を載せたいという要望がよくあります。留意事項では、体験談を使うこと自体が直ちに虚偽誇大表示等に当たるわけではないとしつつ、次のような使い方は問題となるおそれがあるとしています。
 
 ・体験者や体験談が実在しないのに作り上げる
 ・肯定するよう依頼した体験談を、一般の利用者の声のように見せる
 ・食事療法や薬を併用しているのに、その旨を明瞭に示さず、商品だけで効果が出たように見せる

さらに、「個人の感想です」「効果には個人差があります」といった注意書きを添えても、虚偽誇大表示等に当たるかどうかの判断には影響しないと明記されています。注意書きで免れることはできない、という点は制作の現場でも共有しておきたいところです。

留意事項の注記では、体験談で効果に触れる場合、体験者の数と属性、同じような効果が得られた人の割合、得られなかった人の割合などを明瞭に表示することが推奨されるとしています。こうした調査の裏付けが用意できない段階では、効果を語る体験談ではなく、味や続けやすさ、購入手続きの感想など、効果以外の声に絞る設計が考えられます。

口コミの依頼や掲載の方法そのものについては、ステルスマーケティングの規制もかかります。詳しくは123の記事をご覧ください。


化粧品で表現できる効能効果の範囲

化粧品は、健康食品とは逆に「書ける範囲」が具体的に決まっています。

医薬品等適正広告基準では、承認を要しない化粧品の効能効果の表現は、平成23年7月21日薬食発0721第1号「化粧品の効能の範囲の改正について」に定める範囲を超えてはならないとしています。この範囲は56項目で、たとえば次のようなものです。
 ・頭皮、毛髪を清浄にする 毛髪にはり、こしを与える
 ・肌のキメを整える 肌荒れを防ぐ 皮膚にうるおいを与える
 ・肌にはりを与える
 ・日やけを防ぐ
 ・日やけによるシミ、ソバカスを防ぐ
 ・口唇の荒れを防ぐ
 ・乾燥による小ジワを目立たなくする

最後の「乾燥による小ジワを目立たなくする」は、日本香粧品学会の「化粧品機能評価ガイドライン」に基づく試験等を行い、効果を確認した場合に限るとされています。

同じ解説では、この範囲とは別に、「化粧くずれを防ぐ」「小じわを目立たなく見せる」のようなメーキャップ効果や、「清涼感を与える」「爽快にする」などの使用感は、事実に反しない限り表現できるとしています。一方で、化粧品はほとんどが薬理作用で効能効果を認められたものではないため、範囲外の薬理作用による効能効果は表現できないとしています。

薬用化粧品などの医薬部外品は、承認を受けた効能効果の範囲で表現します。化粧品と医薬部外品を同じページで紹介する場合は、どの記述がどの商品の効能効果なのかが混ざらないように配置してください。


化粧品ページで見落としやすい表現


医薬品等適正広告基準とその解説には、化粧品にも関わる注意点がいくつも示されています。ホームページでよく使われる表現と関わるのは、次のような部分です。
 ・効能効果や安全性が確実であることを約束するような表現は認められない 効能効果や安全性について、最大級の表現やこれに類する表現はしてはならない
 ・使用前後の写真や図は、範囲外の効能効果を想起させるもの、効果が出るまでの時間や持続時間を約束するようなものは認められない
 ・ 愛用者の感謝の言葉など体験談的な広告は原則として行わず、化粧品等の使用感を説明する場合などに限られる
 ・医薬関係者、理容師、美容師、病院、学会などが推薦している、公認しているといった広告は行ってはならない
 ・「刺激が少ない」など安全性を誤認させるおそれのある表現は、原則として使わない

特に、美容師や医師の推薦コメントは、サロン専売品や監修商品のページで入れたくなる要素です。医薬品等適正広告基準の第4の10で制限されている内容なので、原稿の段階で外しておくと手戻りを減らせます。


書き換えの考え方


使えない表現を別の言葉に置き換えるだけでは、全体の印象が変わらず、問題が残ることがあります。留意事項でも、虚偽誇大表示等に当たるかは特定の用語で一律に決まるのではなく、表示全体から個別に判断されるとしています。書き換えは、次のような方向で考えます。

健康食品の場合
 ・効果ではなく、商品の事実を伝える。原材料、産地、製法、味、食べやすさ、内容量、価格、購入方法など、確認できる情報を中心にする
 ・病気や不調の名前を見出しに使わない。「こんなお悩みありませんか?」で不調を並べる構成は避ける
 ・保健機能食品は、許可・届出の表示内容の文言をそのまま使い、言い換えたり広げたりしない
 ・1日の目安量を示す場合は、食品としての目安にとどめ、「食前に」「毎食後」のような医薬品を思わせる書き方にしない

化粧品の場合
 ・「シミが消える」「肌が若返る」のような表現は、56項目の範囲にある言葉に置き換えられるかを確認する。
 ・範囲に当てはまる言葉がなければ、その効果は書かない
 ・使用感やメーキャップ効果は、事実に反しない範囲で具体的に書く
 ・「乾燥による小ジワを目立たなくする」は、所定の試験で効果を確認した商品だけに使う

どちらの場合も、置き換えた後の文章を通して読み、見出し、画像、体験談、成分説明を合わせたときに、医薬品のような効果を期待させていないかを確認します。


よくある失敗


・商品ページは確認したが、コラムやブログで成分の効果を語り、購入ページへリンクしている
・健康食品の見出しに病名や症状を入れ、「お悩みの方に」と紹介している 「個人の感想です」と書けば体験談を自由に載せられると考えている
・化粧品のページに、美容師や医師の推薦コメントを載せている
・使用前後の写真で、範囲外の効果を想起させる見せ方をしている
・化粧品と医薬部外品を同じ一覧に並べ、効能効果の記述が混ざっている


本記事の内容は、執筆時点で確認した厚生労働省・消費者庁の資料にもとづいています。通知や留意事項は改正されることがあるため、公開前には所管省庁が公表している最新の資料を確認してください。個別の表現に問題がないか判断に迷う場合は、都道府県の薬務担当部署などの相談窓口や、薬事に詳しい専門家へご相談ください。

まとめ  

健康食品・化粧品を扱う会社のホームページで押さえたいポイントは次の通りです。


 ✓ホームページやSNSも広告として扱われる前提で作る。コラムも販売ページへのリンクがあれば表示として一体で見られることがある

 ✓健康食品では、病気の治療・予防や身体機能の増強をうたう表現、医薬品のような用法用量は書かない

 ✓健康増進法は「何人も」が対象で、体験談に注意書きを添えても判断は変わらない

 ✓化粧品は、通知で示された56項目の範囲と、事実に反しないメーキャップ効果・使用感で表現する

 ✓書き換えは言葉の置き換えではなく、商品の事実を中心に構成を組み直す


効果を語れない分、原材料、作り方、使い心地、購入のしやすさといった事実をていねいに伝えることが、ページの信頼につながります。

編集部コメント

体験談の注意書きで判断が変わらないという点は、現場で誤解されやすいところです。広告やSNSで使う文言も、ホームページと同じ基準でそろえておくことをおすすめします。

この記事の編集者

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C.Ogawara


大手食品メーカーにて約1年半、商品開発および営業業務に従事。市場ニーズを踏まえた企画提案や顧客対応を通じて、顧客視点を重視した課題解決力を培う。


その後、WEBディレクター兼SEOコンサルタントとして2年目のキャリアを歩み、他の一流コンサルタントの厳しくも愛のある指導のもと日々奮闘中。

ホームぺージ制作やSEO対策業務に携わり、検索流入の改善やコンテンツ制作を支援。 キーワード選定、記事構成の作成、リライトなどを通じて、検索意図に沿ったコンテンツ設計と継続的な改善に取り組んでいる。 毎日キーワード分析を行い、これまで分析したサイト数は業種業界を問わず200サイトを超え、最新トレンドや業界別の特徴や差別化要素を提案できることが最大の強み。

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