アクセス解析タグや広告タグを設置するとき、電気通信事業法の外部送信規律が自社サイトに適用されるかを確認しておく必要があります。2023年6月16日施行の規律の対象範囲と、企業ホームページの扱いを総務省の資料をもとに整理します。

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H.Yamashita

新卒で三井住友銀行に入行後、11年間幅広い業種業界・企業規模の法人を担当し、融資業務を中心としたコンサルタント業務に従事。子会社の信託銀行では、専務直属の新規事業企画室にて新規企画推進を担当。

銀行員キャリアのラストは本店営業部にて従事し、不動産・建設業界の上場企業を担当。


その後、WEBマーケティングに強みを有するスタートアップ企業に転職し、企業のあらゆるお悩みや課題を解決し、貢献したいという想いからコンサルタントとして独立、起業。

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「Cookie同意バナーが必須」ではありません

アクセス解析タグや広告タグを入れる相談をすると、Cookieの同意バナーを付けたほうがよいのか、という質問をよくいただきます。海外サイトで見かける同意バナーの印象が強いためだと思われます。

日本では、2022年6月に電気通信事業法が改正され、タグや情報収集モジュールを使って利用者に関する情報を外部に送信する場合に、利用者が確認できるようにする規律が設けられました。これが外部送信規律です。改正法は2023年6月16日に施行されています。

ただし、この規律はすべてのホームページに一律で適用されるわけではありません。適用されるのは「電気通信事業」を営む者です。そこを確認しないまま、必要のない同意バナーを付けたり、逆に必要な対応を見落としたりするケースが起きています。

対象になるサービスとならないサービス

総務省のパンフレット「外部送信規律について」では、規律の対象となる電気通信役務として、メッセージ媒介サービス、SNS、検索サービス、ホームページの運営のうちニュースサイトやまとめサイトなど各種情報のオンライン提供、オンラインショッピングモールやネットバンキングなどが挙げられています。

一方で、同じ資料には、電気通信事業に該当しないため対象にならない例も示されています。そこに含まれているのが「企業等のホームページ運営・個人ブログ」で、企業・個人等が自己の情報発信のため、つまり自己の需要のために運営しているものが該当します。

つまり、会社案内、サービス紹介、実績、採用情報、問い合わせフォームといった構成の一般的な企業ホームページは、外部送信規律の対象外になる場合が多いということです。総務省の資料には判定用のフローチャートも掲載されているので、自社がどちらに当たるかは、そちらで確認してください。

この線引きは、多くの解説記事があいまいなまま「対応が必要」と書いている部分です。実際に自社が対象なのかを先に確認したほうが、無駄な作業を減らせます。

対象になる場合にやること

自社が規律の対象になる場合、利用者の端末に外部送信を指示するプログラム等を送信する際は、通知または公表(利用者が容易に知り得る状態に置く)、同意取得、オプトアウト措置のいずれかを行うこととされています。

通知または公表する事項は、送信されることとなる利用者に関する情報の内容と、その情報を取り扱うこととなる者の氏名または名称です。同意を取る場合は、チェックボックスにあらかじめチェックを入れておくような、利用者が能動的に同意したとはいえない形は認められないとされています。

つまり、同意バナーは必須の唯一の手段ではありません。通知または公表という選択肢があります。自社の状況に合わせて選ぶことになります。

監修者からのポイント

同意バナーを付ければ安心、という話ではありません。まず自社が規律の対象になるのかを確認し、そのうえで必要な対応を選ぶ順番が大切です。

エクシードでは、ホームページのタグ管理やアクセス解析の設計をご支援しています。何をどこまで対応すべきかの整理から、公開後の運用ルールづくりまで含めてご提案します。自社サイトの状況が気になる方は、お気軽にご相談ください。

営業時間: 10:00~19:00

外部送信規律の対象外でも、個人情報保護法は別の話

ここで混同しやすいのが、外部送信規律と個人情報保護法は別の制度だという点です。

外部送信規律の対象外であっても、問い合わせフォームで氏名やメールアドレスを取得しているなら、個人情報保護法上の義務は当然に発生します。利用目的の通知または公表や、保有個人データに関する事項の公表が必要になります。

「うちは対象外だから何もしなくてよい」ではなく、「外部送信規律の対象外でも、個人情報保護法の対応は必要」と整理してください。

作成前に準備するもの

1. サイトに入っているタグをすべて洗い出す(アクセス解析、広告、チャット、ヒートマップ、予約システムなど)
2. それぞれのタグが、どこの事業者へ何を送っているかを確認する
3. 自社サイトが提供している役務の内容を確認し、総務省のフローチャートで対象かどうかを判定する
4. 対象なら、通知・公表・同意取得・オプトアウトのどれを選ぶかを決める
5. 個人情報保護法側の対応(利用目的の公表など)と分けて整理する

タグ管理ツールを使っていると、過去に入れたまま使っていないタグが残っていることがあります。この機会に棚卸しをしておくと、表示速度の面でも効果があります。

よくある失敗

・海外向けのテンプレートをそのまま使い、自社の実態と合わない同意バナーを設置している
・同意バナーを付けたものの、同意前からタグが発火している
・どのタグが何を送っているかを誰も把握していない
・外部送信規律と個人情報保護法を混同し、片方だけ対応している

公開後の運用で見るポイント

タグは、担当者が変わるたびに増えやすいものです。新しいツールを導入したとき、既存のタグを削除したときに、記載内容とサイトの実態が合っているかを確認するルールを決めておきます。

制度の解釈や運用は見直される可能性があります。自社が対象になるかどうかの最終的な判断は、総務省の公式情報を確認したうえで、必要に応じて専門家へご相談ください。

制作会社へ依頼するときに伝えること

制作会社へ依頼する場合は、次の情報を先に渡すと進行が早くなります。
 ・現在サイトに入っているタグと、その目的
 ・これから追加したいツール
 ・自社サイトが提供している役務の内容
 ・判断を誰が行うか(社内か、専門家か)
 ・公開後に誰がタグを管理するか

タグの追加は簡単にできてしまうため、管理する人を決めておかないと、数年で誰も把握できない状態になります。

まとめ  

アクセス解析タグと外部送信規律で押さえたいポイントは次の通りです。 

 ✓外部送信規律の施行は2023年6月16日、対象は電気通信事業を営む者

 ✓自己の情報発信のために運営する企業ホームページは対象外とされる例に含まれる

 ✓対象外でも、個人情報保護法側の対応は別途必要


まず自社が対象かどうかを確認してから、必要な対応だけを行うのが、無理のない進め方です。

編集部コメント

使っていない古いタグが残っているサイトは多いです。制度の確認をきっかけに、タグの棚卸しをしておくと表示速度の面でも効果があります。

この記事の編集者

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C.Ogawara

大手食品メーカーにて約1年半、商品開発および営業業務に従事。市場ニーズを踏まえた企画提案や顧客対応を通じて、顧客視点を重視した課題解決力を培う。


その後、WEBディレクター兼SEOコンサルタントとして2年目のキャリアを歩み、他の一流コンサルタントの厳しくも愛のある指導のもと日々奮闘中。

ホームぺージ制作やSEO対策業務に携わり、検索流入の改善やコンテンツ制作を支援。 キーワード選定、記事構成の作成、リライトなどを通じて、検索意図に沿ったコンテンツ設計と継続的な改善に取り組んでいる。 毎日キーワード分析を行い、これまで分析したサイト数は業種業界を問わず200サイトを超え、最新トレンドや業界別の特徴や差別化要素を提案できることが最大の強み。

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