葬儀サービスの料金トラブルの相談は、国民生活センターによると年間900件前後で推移しています。景品表示法の有利誤認と価格表示の考え方、消費者庁の措置命令の例をもとに、プランに含まれるもの・含まれないもの、「一式」の内訳の見せ方を整理します。

この記事の監修者

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H.Yamashita

新卒で三井住友銀行に入行後、11年間幅広い業種業界・企業規模の法人を担当し、融資業務を中心としたコンサルタント業務に従事。子会社の信託銀行では、専務直属の新規事業企画室にて新規企画推進を担当。

銀行員キャリアのラストは本店営業部にて従事し、不動産・建設業界の上場企業を担当。


その後、WEBマーケティングに強みを有するスタートアップ企業に転職し、企業のあらゆるお悩みや課題を解決し、貢献したいという想いからコンサルタントとして独立、起業。

セールスライティング、WEBマーケティング、SEO、MEO、SNS、広報、WEBサイト制作など、財務や経営管理以外にも幅広い実績を有するオールラウンドな経歴を持つため、一気通貫であらゆるお悩みや課題の解決に貢献できる。

二人三脚スタイルの伴走型支援で当事者意識を持って高い熱量でサポートすることが強みであり特徴。クライアント数は140社超える。


葬儀社のサイトは、慌ただしい中で読まれます

葬儀社のホームページは、多くの場合、ご家族が亡くなった直後や、容体が急変したときに探されます。病院から搬送先を早く決めるよう求められることもあり、お客様はじっくり比較する余裕がないまま、目に入った金額を頼りに連絡をします。

国民生活センターが2026年6月3日に公表した「依然として多い葬儀サービスの料金トラブル-『家族葬だから安い』と思っていませんか?-」では、全国の消費生活センター等に寄せられる葬儀サービスに関する相談は増加傾向で推移しており、年間で900件前後となっていると説明されています。PIO-NETに登録された相談件数は、2024年度が978件、2025年度が917件で、そのうち「高価格・料金」に関する相談の割合は2025年度に52.6%とされています。

同じ資料では、広告に記載された料金と実際に請求される料金との乖離が大きくトラブルになっている事例も見受けられると指摘されています。葬儀社のサイトでは、料金を安く見せる工夫より、実際にかかる金額を正しく伝える設計が大切です。

相談事例に見る、料金表示のすれ違い

国民生活センターの資料では、次のような相談事例が紹介されています。

 ・ネット広告に記載されていた50万円のプランで申し込もうとしたが、打ち合わせで120万円のプランを提案され、約120万円で契約した
 ・一日葬は約30万円とのチラシを見て依頼したが、約80万円の契約になり、チラシでは料金に含まれるとされていた仏具や仏衣に関わる費用も請求に含まれていた
 ・「家族葬50万円」との表示を見て依頼したが、宗教関連の方向けとして140万円のプランを案内され、見積書にはプラン名と「一式」としか記載がなく、総額で200万円を超えた

また、資料では、「家族葬」「一日葬」については葬儀社によって取り扱い範囲が異なることもあり、内容や料金にかかる消費者のイメージと相違することがあるとしています。言葉の意味を自社のサイトでどう定義しているかが、トラブルを防ぐ第一歩になります。

景品表示法と価格表示の考え方

料金の表示に関係するのが、景品表示法です。同法第5条第2号では、商品又は役務の価格その他の取引条件について、実際のもの又は他の事業者に係るものよりも取引の相手方に著しく有利であると一般消費者に誤認される表示(有利誤認表示)を禁止しています。

消費者庁が公表している「不当な価格表示についての景品表示法上の考え方」では、販売価格に関する表示を行う場合には、販売価格、その価格が適用される商品の範囲(関連する商品、役務が一体的に提供されているか否か等)、その価格が適用される顧客の条件を正確に表示する必要があるとしています。

同じ資料では、不当表示に該当するおそれのある表示として、通常他の関連する商品や役務と併せて一体的に販売されている商品について、その関連する商品や役務の対価を別途請求する場合に、その旨を明示しないで販売価格のみを表示することが挙げられています。また、表示された販売価格が適用される顧客が限定されているのに、その条件を明示しないで販売価格のみを表示することも挙げられています。

葬儀のプランに置き換えると、「プラン料金に含まれていないが、ほとんどの場合に必要になる費用」や「特定の条件の方しか選べないプラン」を、条件を示さずに料金だけ大きく見せる表示は、この考え方に照らして問題になり得ます。

消費者庁の措置命令の例

葬儀サービスの料金表示については、消費者庁が景品表示法にもとづく措置命令を行った例があります。

令和6年5月30日の消費者庁の公表では、ある葬儀社が「直葬プラン」「火葬プラン」について、チラシと自社ウェブサイトで行った表示が有利誤認に当たるとされました。公表資料によると、個室で遺体と面会する場合でも表示の金額以外に追加料金が発生しないかのように表示していたが、実際には個室の料金や、個室に供花や仏具を置く場合の料金が追加で発生するものでした。また、ウェブサイトで「通常価格」と称して表示していた価格は、提供された実績のないものであったとされています。

写真や説明文で「ゆっくりお別れできる」と伝えていながら、その部分が別料金であった点が問題とされた例です。プランの写真や説明文と、料金に含まれる範囲が一致しているかを確かめることが重要です。

プランページに載せたい項目

料金表示のトラブルを避けるには、プランごとに次の項目をそろえて載せると分かりやすくなります。

 ・プランの名称と、想定している葬儀の形(通夜の有無、日数、想定する参列者の人数)
 ・プラン料金(税込み・税抜きの別)
 ・プラン料金に含まれるもの(搬送、安置、棺、骨つぼ、祭壇、火葬手続きの代行など、実際に含まれるもの)
 ・プラン料金に含まれないもの(火葬料、式場使用料、飲食、返礼品、宗教者へのお礼など、別途かかるもの)
 ・人数や日数によって変わる費用と、その計算の考え方
 ・選べるオプションと、その料金
 ・このプランを選べない場合があるときは、その条件

前述の相談事例のように、チラシでは含まれるとされていたものが請求に入っていたというすれ違いも起きています。「含まれるもの」と同じくらい「含まれないもの」をはっきり書くことが、信頼につながります。

監修者からのポイント

葬儀社のサイトは、最も安いプランの金額より、多くのご家族が実際に選ぶ内容の総額が分かることが大切です。含まれないものを書くことは不利に見えますが、打ち合わせでの行き違いを減らせます。

エクシードでは、業種別のホームページ制作をご支援しています。プランページの内訳の整理から、今すぐ依頼したい方と事前相談の方それぞれに向けた導線まで含めて構成をご提案します。葬儀社のサイトの新規制作やリニューアルを検討されている方は、お気軽にご相談ください。

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「一式」表示は内訳とセットで見せる

葬儀のプランは、多くの物品やサービスをまとめて「一式」として示すことがあります。まとめること自体が問題なのではなく、お客様が何に対していくら払うのかが分からないことが、トラブルのもとになります。

プランページでは、「一式」に含まれる項目を一覧にし、可能であれば主な項目の数量やグレードも示します。例えば「祭壇一式」なら、祭壇の種類、生花の有無、設営と撤去を含むかどうか、といった内容です。

国民生活センターは、消費者へのアドバイスとして「見積書は必ず受領し、内容(明細)をよく確認しましょう」と呼びかけ、関係団体に対しては、葬儀サービスの内容について詳細に説明し、見積書を渡して正確な請求金額を伝えるなど、分かりやすく丁寧な情報提供を行うよう要望しています。サイトに見積書のサンプル(項目の並びが分かるもの)を載せておくと、お客様は事前に何を確認すればよいか分かります。

「通常価格」「会員価格」などの比較表示に注意

葬儀社のサイトでは、「通常価格」と「会員価格」や「事前相談割引後の価格」を並べて表示することがあります。比較に使う価格は、実際にその価格で提供している実績があるものでなければなりません。

会員価格や割引価格を表示する場合は、その価格が適用される条件(入会の要否、入会金、適用される時期など)を、価格と同じくらい見やすく表示します。条件を小さな文字で離れた場所に書くと、安いという印象だけが伝わってしまいます。

急な連絡でも迷わない導線を作る

葬儀社のサイトには、事前相談の方と、今すぐ依頼したい方の両方が訪れます。どちらにも対応できる導線を用意しておきます。
 ・24時間対応の電話番号を、スマートフォンで常に押せる位置に置く
 ・「今すぐの方」向けに、連絡してから搬送、安置、打ち合わせまでの流れを短くまとめる
 ・打ち合わせの前に見積書をお渡しすることや、見積もり後に依頼しない場合の費用の扱いを明記する
 ・「事前相談」向けに、プランの比較、式場の案内、見積もりの依頼方法を載せる

国民生活センターは、打ち合わせを親族や第三者など複数で行うことも呼びかけています。「ご家族と一緒にご覧ください」として、プランの内訳を印刷できるページを用意するのも一つの方法です。

よくある失敗

・最も安いプランの金額だけを大きく表示し、多くの方が選ぶ内容の総額が分からない
・プランの写真や説明文に、料金に含まれない式場や設備が写っている
・「一式」の内訳が書かれておらず、何が含まれるか分からない
・火葬料や飲食など、別途かかる費用の説明がない
・「通常価格」と比べた割引表示の根拠がない
・「家族葬」「一日葬」の意味を自社でどう定義しているか書いていない

本記事の内容は、執筆時点で確認した景品表示法、消費者庁の公表資料、国民生活センターの公表資料にもとづいています。最新の情報は消費者庁や国民生活センターの公表資料でご確認ください。個別の表示が景品表示法上問題ないかの判断は、消費者庁や都道府県の景品表示法担当窓口、弁護士などの専門家へご相談ください。

まとめ  

葬儀社のホームページ制作で押さえたいポイントは次の通りです。


 ✓葬儀サービスの相談は年間900件前後で、「高価格・料金」に関する相談の割合が高い

 ✓価格表示では、価格、その価格が適用される範囲、適用される条件を正確に示す

 ✓プラン料金に含まれるものと含まれないものを、同じくらい分かりやすく書く 「一式」は内訳とセットで見せ、見積書のサンプルも用意する

 ✓写真や説明文と、料金に含まれる範囲を一致させる


慌ただしい中でも正しく判断できる情報をそろえておくことが、ご家族からの信頼と、紹介につながる葬儀社のサイトの土台になります。

編集部コメント

プランの内容や料金、式場の設備を変えたときは、写真と説明文も同時に見直してください。料金の表示と写真が別々に更新されると、意図しないずれが生まれやすくなります。

この記事の編集者

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C.Ogawara

大手食品メーカーにて約1年半、商品開発および営業業務に従事。市場ニーズを踏まえた企画提案や顧客対応を通じて、顧客視点を重視した課題解決力を培う。


その後、WEBディレクター兼SEOコンサルタントとして2年目のキャリアを歩み、他の一流コンサルタントの厳しくも愛のある指導のもと日々奮闘中。

ホームぺージ制作やSEO対策業務に携わり、検索流入の改善やコンテンツ制作を支援。 キーワード選定、記事構成の作成、リライトなどを通じて、検索意図に沿ったコンテンツ設計と継続的な改善に取り組んでいる。 毎日キーワード分析を行い、これまで分析したサイト数は業種業界を問わず200サイトを超え、最新トレンドや業界別の特徴や差別化要素を提案できることが最大の強み。

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