結婚相談所のサービスは、多くの場合、特定商取引法の特定継続的役務提供に当たります。期間2か月超・5万円超の基準、概要書面の記載事項、クーリング・オフと中途解約、誇大広告の禁止を消費者庁の資料で確認し、料金や成婚率の見せ方を整理します。

この記事の監修者

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H.Yamashita

新卒で三井住友銀行に入行後、11年間幅広い業種業界・企業規模の法人を担当し、融資業務を中心としたコンサルタント業務に従事。子会社の信託銀行では、専務直属の新規事業企画室にて新規企画推進を担当。

銀行員キャリアのラストは本店営業部にて従事し、不動産・建設業界の上場企業を担当。


その後、WEBマーケティングに強みを有するスタートアップ企業に転職し、企業のあらゆるお悩みや課題を解決し、貢献したいという想いからコンサルタントとして独立、起業。

セールスライティング、WEBマーケティング、SEO、MEO、SNS、広報、WEBサイト制作など、財務や経営管理以外にも幅広い実績を有するオールラウンドな経歴を持つため、一気通貫であらゆるお悩みや課題の解決に貢献できる。

二人三脚スタイルの伴走型支援で当事者意識を持って高い熱量でサポートすることが強みであり特徴。クライアント数は140社超える。


結婚相談所のサイトは、入会前の迷いに答える場所です

結婚相談所への入会は、多くの方にとって初めての経験です。費用は決して小さくなく、活動期間も数か月から年単位になります。そのためお客様は、無料相談に申し込む前に、ホームページで料金や活動の進め方、途中でやめたときの扱いを確かめようとします。

結婚相談所のサービスは、多くの場合、特定商取引法の特定継続的役務提供に当たります。ホームページで伝える情報も、この法律のルールを前提に組み立てると、入会前の不安を減らしつつ、表示のトラブルも避けやすくなります。

結婚相手紹介サービスが特定継続的役務に当たる基準

消費者庁の特定商取引法ガイドでは、特定継続的役務提供を「長期・継続的な役務の提供と、これに対する高額の対価を約する取引」と説明しています。現在はエステティック、美容医療、語学教室、家庭教師、学習塾、結婚相手紹介サービス、パソコン教室の7つの役務が対象です。

結婚相手紹介サービスは「結婚を希望する者への異性の紹介」とされ、次の2つの条件を満たす場合に対象となります。
 ・役務の提供期間が2か月を超えるもの
 ・契約金の総額が5万円を超えるもの

契約金の総額には、入会金、受講料、教材費、関連商品の販売なども含まれると説明されています。また、役務の内容がファックスや電話、インターネット、郵便等を用いて行われる場合も広く含まれ、要件に当たれば店頭での契約も規制の対象になります。オンライン中心の相談所でも、対象になるかどうかは同じ基準で確認します。

入会前に渡す「概要書面」の項目をサイトにも反映する

特定商取引法第42条では、契約を締結するまでに、契約の概要を記載した書面(概要書面)を渡すことが定められています。特定商取引法ガイドでは、概要書面の記載事項として次の項目が挙げられています。

 ・事業者の氏名(名称)、住所、電話番号、法人にあっては代表者の氏名
 ・役務の内容
 ・購入が必要な商品がある場合にはその商品名、種類、数量 役務の対価その他の支払わなければならない金銭の概算額
 ・支払時期、方法 役務の提供期間
 ・クーリング・オフに関する事項 中途解約に関する事項
 ・割賦販売法に基づく抗弁権の接続に関する事項
 ・前受金の保全に関する事項
 ・特約があるときには、その内容

概要書面は契約前に渡す書面であり、ホームページへの掲載が義務づけられているわけではありません。ただ、お客様がサイトで知りたいことと、この項目はかなり重なります。料金ページや入会の流れのページを、概要書面と同じ項目立てで作っておくと、面談で聞く内容とサイトの内容がそろい、「聞いていた話と違う」という行き違いを減らせます。

なお、同条第4項では、相手方の承諾を得て、書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することもできるとされています。オンラインで契約まで進める場合は、この手続きも含めて設計します。

料金ページは「総額」と「活動期間」で見せる

結婚相談所の料金は、入会金、登録料、月会費、お見合い料、成婚料など、複数の費目に分かれている場合があります。月会費だけを大きく見せると、実際に支払う金額が分かりにくくなります。

料金ページでは、次のように整理すると比較しやすくなります。

 ・費目ごとの金額と、支払う時期
 ・税込みか税抜きかの明記
 ・プランごとの活動内容の違い(紹介人数、面談回数、サポート内容など)
 ・想定される活動期間と、その場合に支払う金額の計算方法
 ・成婚料が発生する条件(何をもって成婚とするか)

成婚料の条件は、入会後にトラブルになりやすい部分です。「成婚」の定義を相談所の規約どおりに書き、料金ページから規約へすぐ移動できるようにしておきます。

クーリング・オフと中途解約は、隠さずに載せる

特定商取引法第48条では、法定の契約書面を受け取った日から数えて8日以内であれば、書面または電磁的記録によりクーリング・オフができると定められています。

また、第49条では、クーリング・オフ期間の経過後も、将来に向かって契約を解除(中途解約)できるとしています。特定商取引法ガイドでは、結婚相手紹介サービスで事業者が請求できる損害賠償などの額の上限が、次のように示されています。

 ・役務提供開始前の解除:3万円
 ・役務提供開始後の解除:提供された役務の対価に相当する額に、2万円または契約残額の20%に相当する額のいずれか低い額を加えた額

さらに、結婚相手紹介サービスの関連商品として、真珠並びに貴石及び半貴石、指輪その他の装身具が指定されており、本体の契約をクーリング・オフや中途解約した場合は関連商品も解除できるとされています。

解約の条件をサイトで明らかにすることは、入会を迷わせるように思えるかもしれません。しかし、途中でやめられるかどうかは、入会を検討する方が最も気にする点の一つです。解約の手続きと精算の考え方を先に示しておく方が、信頼につながります。

監修者からのポイント

結婚相談所のサイトは、概要書面と料金ページの内容がそろっているかどうかで、面談後の信頼感が大きく変わります。書面の改定とサイトの更新を同じ手順に組み込んでおくことをおすすめします。

エクシードでは、業種別のホームページ制作をご支援しています。料金や解約条件の見せ方から、活動の流れやカウンセラー紹介のページ構成まで含めてご提案します。結婚相談所のサイトの新規制作やリニューアルを検討されている方は、お気軽にご相談ください。

営業時間: 10:00~19:00

成婚率や会員数を載せるときの注意点

結婚相談所のサイトでは、成婚率や会員数、成婚までの平均期間などの数字がよく使われます。数字は分かりやすい反面、表示のルールにも注意が必要です。

特定商取引法第43条では、特定継続的役務の提供条件について広告をするときは、役務の内容又は効果などについて、著しく事実に相違する表示や、実際のものよりも著しく優良であり、若しくは有利であると人を誤認させるような表示をしてはならないとしています。第43条の2では、主務大臣がこれに当たるか判断するために、表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めることができ、資料を提出しない場合は、指示や業務停止命令などの行政処分の適用について、誇大広告等に当たるものとみなすと定められています。

そのため、成婚率などの数字を載せる場合は、根拠をいつでも示せる状態にしておくことが前提です。サイトには次の内容を併記すると、お客様も数字の意味を正しく受け取れます。

 ・何をもって「成婚」としているか
 ・分母と分子に何を数えたか(在籍会員数か、退会者数か、入会者数か)
 ・集計した期間と、集計した日
 ・自社の会員だけの数字か、加盟する連盟全体の数字か

連盟全体の会員数を、自社の会員数であるかのように見せる表示は避けます。ほかの相談所と比べて「成婚率No.1」などとうたう場合は、景品表示法の考え方も関係します。

無料相談につなげる構成

入会前の不安を減らすには、料金と解約の情報に加えて、活動のイメージが持てる情報が役立ちます。構成の例は次の通りです。
 ・活動の流れ:無料相談、入会手続き、プロフィール作成、お見合い、交際、成婚までの手順
 ・カウンセラー紹介:担当者の経歴、相談の進め方、対応できる曜日や時間帯
 ・料金とプラン:費目ごとの金額、プランの違い、支払時期
 ・解約と返金:クーリング・オフ、中途解約の手続きと精算の考え方
 ・よくある質問:無料相談で入会を求められるか、オンラインで活動できるか、など
 ・事業者情報:名称、住所、電話番号、代表者名

お客様の体験談を載せる場合は、本人の同意を得たうえで、自社が依頼して書いてもらったものかどうかを明らかにするなど、ステルスマーケティング規制にも注意してください。

無料相談の申し込みフォームには、「当日の入会をお願いすることはありません」など、実際の運用に合った一文を添えると、申し込みのハードルが下がります。実際の対応と違うことは書かないでください。

よくある失敗

・月会費だけを大きく表示し、入会金や成婚料を含めた総額が分からない
・成婚の定義や成婚料の発生条件が、料金ページから確認できない
・中途解約の条件をサイトに載せておらず、面談で初めて説明している
・成婚率の算出方法や集計期間を書いていない
・連盟全体の会員数を、自社の会員数のように見せている

本記事の内容は、執筆時点で確認した特定商取引法と消費者庁の特定商取引法ガイドにもとづいています。最新の情報は消費者庁の公表資料でご確認ください。自社のサービスが特定継続的役務に当たるか、表示や書面の内容が適切かといった個別の判断は、消費生活センターなどの窓口や弁護士などの専門家へご相談ください。

まとめ  

結婚相談所のホームページ制作で押さえたいポイントは次の通りです。


 ✓結婚相手紹介サービスは、期間2か月超・総額5万円超で特定継続的役務提供に当たる

 ✓料金ページや入会の流れは、概要書面と同じ項目立てで作ると行き違いを減らせる

 ✓クーリング・オフは書面受領から8日以内、中途解約の損害賠償等の上限は法律で決まっている

 ✓成婚率などの数字は、合理的な根拠を示せる状態にし、定義・算出方法・期間を併記する

 ✓体験談を載せる場合は、ステルスマーケティング規制にも注意する


料金、解約、数字の意味を先に明らかにしておくことが、入会を検討する方の安心と、相談所への信頼につながります。

編集部コメント

成婚率や会員数は、集計した時点から時間がたつほど実態とずれていきます。数字を載せる場合は、集計日を明記し、更新する時期もあらかじめ決めておいてください。

この記事の編集者

スタジオ15_800px_R

C.Ogawara

大手食品メーカーにて約1年半、商品開発および営業業務に従事。市場ニーズを踏まえた企画提案や顧客対応を通じて、顧客視点を重視した課題解決力を培う。


その後、WEBディレクター兼SEOコンサルタントとして2年目のキャリアを歩み、他の一流コンサルタントの厳しくも愛のある指導のもと日々奮闘中。

ホームぺージ制作やSEO対策業務に携わり、検索流入の改善やコンテンツ制作を支援。 キーワード選定、記事構成の作成、リライトなどを通じて、検索意図に沿ったコンテンツ設計と継続的な改善に取り組んでいる。 毎日キーワード分析を行い、これまで分析したサイト数は業種業界を問わず200サイトを超え、最新トレンドや業界別の特徴や差別化要素を提案できることが最大の強み。

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2021年2月5日

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