多言語サイトの更新漏れを防ぐ方法を整えるときは、見た目だけでなく、利用者が何を判断し、次に何をすればよいかを考える必要があります。この記事では、日本語と翻訳版を運用する企業担当者に向けて、掲載する情報と社内で確認する手順を整理します。

この記事の監修者

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H.Yamashita

新卒で三井住友銀行に入行後、11年間幅広い業種業界・企業規模の法人を担当し、融資業務を中心としたコンサルタント業務に従事。子会社の信託銀行では、専務直属の新規事業企画室にて新規企画推進を担当。

銀行員キャリアのラストは本店営業部にて従事し、不動産・建設業界の上場企業を担当。


その後、WEBマーケティングに強みを有するスタートアップ企業に転職し、企業のあらゆるお悩みや課題を解決し、貢献したいという想いからコンサルタントとして独立、起業。

セールスライティング、WEBマーケティング、SEO、MEO、SNS、広報、WEBサイト制作など、財務や経営管理以外にも幅広い実績を有するオールラウンドな経歴を持つため、一気通貫であらゆるお悩みや課題の解決に貢献できる。

二人三脚スタイルの伴走型支援で当事者意識を持って高い熱量でサポートすることが強みであり特徴。クライアント数は140社超える。


原稿の正本と翻訳対象を決める

多言語化した直後は内容がそろっていても、日本語だけ更新すると差が広がります。まず、どの原稿を正本とするか、どの情報を各言語へ反映するかを決めます。取扱製品や地域によって内容を変える場合も、意図した差と更新漏れを分けて記録します。

日本語の文章が長いまま翻訳へ渡すと、解釈が分かれることがあります。主語、対象、条件、日付を明確にし、製品名や単位の表記をそろえます。翻訳を始める前に内容を確定する工程も必要です。

変更した箇所と理由を翻訳担当へ渡す

全文を毎回送り直すだけでは、何が変わったかを確認する負担が増えます。変更前後、対象ページ、変更理由、反映期限を一組にして渡します。数値、条件、受付窓口の変更は、表現の調整より優先して確認しましょう。

日本語側で修正が途中の場合は、その状態も伝えます。翻訳担当が旧稿を完成させたあとに差し替える流れを避けるため、翻訳へ渡してよい版を明確にします。

用語集は対訳と使い分けを残す

製品名、役職、業界用語などは、同じ日本語でも文脈によって訳が変わることがあります。用語集には単語だけでなく、使用場面と使わない訳も添えます。単位や日付の表示は対象地域に合わせつつ、値そのものを変えないようにします。

機械翻訳を下書きに使っても、製品の意味や契約条件を正しく伝えられるかは別の確認です。重要な条件は事業担当者が確認し、自然な文章の確認と事実確認を分けます。

翻訳の承認と公開の状態を別々に管理する

訳文が完成しても、実ページの画像やボタンが日本語のまま残ることがあります。本文の承認、ページ反映、端末表示、リンク先の言語を別々に確認します。翻訳完了をそのまま公開完了としないことが重要です。

対応していない言語の問い合わせを受けたときの窓口も用意します。サイトの言語数だけ増やして、受け付けた相談へ回答できない状態を避けましょう。更新頻度を保てない範囲は、最初から対象を絞る判断もあります。

日付・画像・リンクの変更も更新対象に含める

多言語の更新では、本文の対訳だけを確認すると画像内の文言やリンク先が残ることがあります。説明図、ダウンロード資料、ボタン、受付時間、問い合わせ先を対象に含めます。翻訳版にしかない情報も正本との関係を記録します。

日本語側で廃止したサービスが翻訳版では受付中に見えると、対応できない相談につながります。新規ページの翻訳より先に、条件や受付状態の変更を反映する順番を決めましょう。地域ごとに対応が違う場合は、その差を明示します。

確認に使う項目は、正本の版、翻訳対象、用語集、重要条件の確認者、本文外の画像・リンクです。資料に未確定の欄があれば、担当者が確認してから表示するか、相談が必要な条件として案内します。

日本語と各言語の原稿を対応させる

多言語サイトの更新は、翻訳する文章が分かる状態を作ることから始めます。日本語のページ、対応する翻訳ページ、原稿の版、確認担当を一覧にします。言語によってページの構成が違う場合も、何の情報へ対応するかを記録します。URLだけを並べても内容の関係は分かりません。

正本の文章を決めたうえで、地域に合わせて変える内容を分けます。問い合わせ先、対応商品、営業時間、提供地域などは、翻訳だけで同じ内容へそろえるとは限りません。意図した差と、更新していないための差を区別すると、どこを直すべきか判断しやすくなります。

原稿を管理する場所と公開画面も分けます。文章を共有ファイルで直しただけでは、Webへ反映されたとはいえません。翻訳依頼、訳文確認、公開反映、表示確認のそれぞれを記録し、どの段階の版が使われているかを確認できるようにします。

監修者からのポイント

掲載情報の正しさと、利用者が判断できる説明になっているかは分けて確認しましょう。変更後の運用まで含めて担当と確認方法を決めることが大切です。

変更の優先度を情報の影響から決める

翻訳の更新が追い付かない場合、すべての文章を同じ優先度で扱う必要はありません。価格条件、受付、製品仕様、連絡先など、利用者の判断に影響する情報を先に確認します。表現を自然に整える修正と、事実が変わる修正を分けます。

ただし、どの情報が重要かは事業によって違います。担当部門と影響を確認し、更新する期限を決めます。日本語側の変更日に合わせて翻訳が間に合わない場合、翻訳版でどう案内するかを判断します。古い条件を現在も使えるように残さないことが大切です。

大きな変更では、ページ全体を翻訳し直す前に変更点を確定します。企画段階の案を渡すと、訳文を作ったあとで前提が変わることがあります。翻訳へ渡してよい版と、未確定の箇所を明確にして、作業の順番をそろえましょう。

用語集に意味と確認者を残す

対訳の一覧は、単語を並べるだけでは使い分けが分からないことがあります。製品名、サービス名、役職、業界語などは、意味と使用場面を添えます。正式名称と一般的な説明を分け、同じ語を別の意味で使わないようにします。

用語を決める担当も確認します。翻訳者が自然な表現を提案しても、製品の意味が変わる場合があります。事業部門が意味を確認し、言語の担当者が文章として伝わるかを確認します。両方の判断を一つの承認として省略しないことが重要です。

用語集を変更したら、既存ページへの影響を点検します。新しいページだけ新訳にすると、サイト内で同じ製品が違う名前に見えることがあります。過去の名称が顧客に使われている場合は、対応が分かる説明を残す方法も検討します。

数値・単位・日時の変更を点検する

翻訳では、文章が自然でも数値や単位を取り違える可能性があります。寸法、数量、金額、期限、電話番号などは、原稿の正本と別に照合します。値を地域向けに換算する場合は、換算条件と確認者を明確にし、翻訳者が独自に変えないようにします。

日付の表記は対象地域に合わせることがありますが、指す日時は変えません。会議や受付の案内では、どの地域の時間かを示す必要があります。表示形式と内容の確認を分けると、見た目が自然な誤情報を防ぎやすくなります。

料金条件は、通貨を変えるだけで別地域の価格になるとは限りません。提供条件と正式な価格情報を担当者が確認します。未確認の値を翻訳で補完せず、必要な問い合わせや地域ごとの案内へつなげましょう。

エクシードでは、ホームページ制作や情報整理に関するご相談を受け付けています。いまのページで伝わりにくい条件や、受付後に聞き直している内容があれば、状況を整理するところからご相談ください。

営業時間: 10:00~19:00

機械翻訳と人の確認を分ける

機械翻訳を下書きに使う場合も、出力された文章が正しい事業情報を伝えているかを確認します。言葉が流ちょうでも、対象、条件、否定、数値の意味が変わることがあります。自然な文章の確認と内容の正確さを別に点検することが大切です。

製品の安全や契約条件、法令に関わる内容は、専門担当者が原文と対象を確認します。翻訳ツールの出力を理由に、適合や義務を新しく断定しないようにします。一般的な案内にできない部分は、正式な資料や専門窓口へつなぐ範囲を決めます。

外部の翻訳サービスへ原稿を渡す場合は、送る情報の扱いも確認します。公開前の機密情報や個人情報を、便利さだけで入力しないようにします。利用する仕組みと会社の方針を合わせたうえで、翻訳対象を整理します。

画像と資料の言語を合わせる

本文だけ翻訳されても、画像の中の文字、図の見出し、PDF、フォームの案内が日本語のまま残ることがあります。翻訳対象を文章の欄だけに限定せず、ページで使う情報の一覧を作ります。画像を新しく作る場合も、原図の意味と対応させます。

資料の翻訳を提供できない場合は、その状態を説明します。別言語のファイルへ無言で案内すると、利用者が誤った資料を開いたと考えることがあります。どの言語の資料を提供するかをリンクの近くへ示し、問い合わせ先を用意します。

図や表の更新では、数値と説明の対応を確認します。日本語の図だけを更新したため翻訳版の前提が古いと、本文が新しくても矛盾が残ります。素材を共通で管理するか、各言語の更新対象を一覧で確認する運用を決めましょう。

ページ間の言語とURLを確認する

言語を切り替えたとき、対応するページへ進むかを確認します。いつも翻訳版トップへ戻る設計では、利用者が同じ情報を探し直します。対応ページがない場合は、そのことを案内し、別の情報へ移ると分かるようにします。

Googleの多地域・多言語サイトの案内は、言語別URLなどの技術的な設計を扱っています。これは訳文の品質や、どの地域でサービスを提供できるかを確認するものではありません。検索向け設定と事業情報の整合を別々に点検します。

リンク先のフォームやダウンロード資料も対象です。本文が英語でも、問い合わせ先で日本語の入力だけを求める場合があります。対応できる言語、必要な入力、回答する窓口を確認し、掲載した言語数だけを対応能力の証拠にしないことが大切です。

承認と公開の状態を確認する

訳文が確認済みでも、Webのページへ反映されていない場合があります。原稿承認、入稿、公開、表示確認を分け、誰が何を確認するかを決めます。編集画面で内容が正しいことと、一般の利用者が正しい版を読めることは別です。

公開後は、文章、図、資料、フォーム、言語切替を同じ条件で確認します。端末の表示幅によって長い訳文が切れることもあるため、スマートフォンで読めるかを点検します。日本語で成立した画面へ訳文を入れただけで表示も完成としないようにします。

修正を依頼するときは、対象ページ、言語、正本の版、修正理由を一緒に渡します。言語だけ指定して『直してください』とすると、古い原稿へ修正が入る可能性があります。確認する対象を明らかにして、対応を記録します。

翻訳更新の確認表

各言語の完成状態を同じ項目で管理すると、一つの言語だけ古い条件が残ることを確認しやすくなります。訳文の完成と公開完了を区別して記録しましょう。

工程 確認対象 完了の条件
原稿確定 事実・条件・対象 翻訳へ渡す版が決まる
翻訳 用語・意味・数値 対応する訳文がそろう
承認 内容と文章の両方 必要な確認者が承認する
公開 ページ・画像・リンク 正規の画面へ反映する
表示確認 端末・言語切替・受付 利用者が目的へ進める

更新範囲を維持できない場合の判断

多言語のページを増やすほど、更新する対象も増えます。運用の担当が決まらない状態で言語数だけ増やすと、古い情報を放置する可能性があります。事業上必要な範囲と、継続して確認できる範囲を合わせて検討します。

主要ページだけ翻訳する方法もありますが、どこまで提供するかを説明します。製品紹介は翻訳済みでも詳細資料がない場合、利用者へ次の相談方法を示します。情報不足を自動翻訳だけで補い、正式な条件まで変わる状態にしないことが大切です。

公開後の問い合わせを見て、翻訳されていないために困る情報を整理します。アクセス数だけで全ページを翻訳するのではなく、顧客の判断へ影響する箇所から優先します。言語を減らす場合も、既存顧客が必要な案内とURLの影響を確認してから進めます。

問い合わせ対応の言語を確認する

サイトに複数の言語があっても、すべての言語で問い合わせへ回答できるとは限りません。対応できる窓口、回答の方法、必要な確認工程を事業担当者へ確認します。利用者へは、どの言語で連絡できるかをフォームや案内で示します。

機械翻訳を回答へ使う場合も、正確な条件を伝えられるかは別の確認です。費用、日程、契約、安全など重要な内容は、正式な情報と照合します。訳文が自然だから確認不要としないことが大切です。

返信に時間がかかる場合の案内は、実際に対応できる条件へ合わせます。日本語の窓口と同じ日数を未確認で載せず、言語別に確認が必要な条件を示します。公開するページと受け付ける業務の範囲をそろえましょう。

翻訳更新の記録を残す

更新記録には、原文の版、対象言語、変更箇所、確認者、公開時点を残します。原稿の変更と公開画面の確認を別に記録すると、古い情報がどこに残っているかを追いやすくなります。複数担当がいる場合も、最新の正本を確認してから作業します。

公開後に誤訳が見つかった場合は、意味への影響を確認します。表現の自然さの修正と、事実や条件の訂正は扱いが違います。利用者へ個別案内が必要な場合は、Webを直しただけで連絡済みとしないようにします。

翻訳者や制作会社が変わるときは、用語集、対象ページの対応、承認済み版、残る未確認を引き継ぎます。過去の資料をすべて現行情報として使わず、確認時点と採用範囲を説明できることが重要です。

判断に迷いやすい質問

翻訳を一度承認すれば更新不要?
原文や提供条件が変われば訳文も対象になります。言語別に確認日と版を残し、重要条件の変更を先に点検します。自然な文章として承認したことと、現在の事業情報が正しいことは別です。画像、リンク、受付窓口も含めて、現在の正本と対応するかを確認します。

自動翻訳の画面を増やせば海外対応になる?
ページの言語と、実際に提供できる商品や回答言語をそろえる必要があります。翻訳された説明があっても、地域の条件や問い合わせに対応できるとは限りません。技術設定、訳文の意味、事業の提供範囲を分けて確認し、未確認の対応を可能と説明しないようにします。

参考情報

Googleは言語別の異なるURLを用意する方法を案内しています。翻訳文の更新管理と、検索エンジンへ言語を伝える設定は別々に確認します。
Google 多地域・多言語サイト→https://developers.google.com/search/docs/specialty/international/managing-multi-regional-sites

まとめ  

原稿の正本と翻訳対象を決めることを出発点に、情報の意味と対応の手順をそろえることが大切です。担当者だけが知っている条件を利用者が読める形にし、判断できない場合は正規の相談窓口へつなぎます。掲載した説明と実際の受付・回答が一致しているか、更新後にも確認しましょう。

編集部コメント

変更した箇所と理由を翻訳担当へ渡すことは、判断に必要な情報を整理するうえで役立ちます。実際の問い合わせや運用の困りごとを確認しながら、ページを見直してみてください。

この記事の編集者

スタジオ15_800px_R

C.Ogawara

大手食品メーカーにて約1年半、商品開発および営業業務に従事。市場ニーズを踏まえた企画提案や顧客対応を通じて、顧客視点を重視した課題解決力を培う。


その後、WEBディレクター兼SEOコンサルタントとして2年目のキャリアを歩み、他の一流コンサルタントの厳しくも愛のある指導のもと日々奮闘中。

ホームぺージ制作やSEO対策業務に携わり、検索流入の改善やコンテンツ制作を支援。 キーワード選定、記事構成の作成、リライトなどを通じて、検索意図に沿ったコンテンツ設計と継続的な改善に取り組んでいる。 毎日キーワード分析を行い、これまで分析したサイト数は業種業界を問わず200サイトを超え、最新トレンドや業界別の特徴や差別化要素を提案できることが最大の強み。

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